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「冬休みの宿題と言えば?」と聞かれると、
書き初めを思い出す方が多いのではないでしょうか。
筆を握り、半紙に向かった時の独特の緊張感と、
一筆目を入れる瞬間、世界が止まったように静まりかえる感覚は、
他の宿題ではできなかった貴重な経験だったな、と、
振り返ってみて思います。
私は習字の時間が苦手、というか筆の扱いが苦手でした。
半紙に向かっていざ書こうとすると、
筆の先が固くなっていて、墨をつけるのもままならなかったり、、
毛先の整わない筆でなんとか書き上げたものの、
名前を書くスペースがなくなってしまったり・・・。
私が不器用でセンスのかけらもなかったのは確かなんですが、
当時もう少し、筆の選び方や使い方、手入れの方法を知っていたら、
書き初めも楽しくやれたのかなと思ったりします。
そんな私のような失敗をしないため、
書き初めでどんな言葉を書くか悩む前に、
書き初めをするときの相棒である筆について、
知ることから始めてみませんか?
どんな筆を選べばいいのか、
どんなことに注意をしたらいいのか、
どうやって手入れをしたらいいのか、
筆について知って、お気に入りの筆を見つけましょう。
そして、お気に入りの筆とともに、書き初めに願いを込めて、
新しい年を始めてはいかがでしょうか。
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Contents
習字と書道と書き初め、違いってなんだ?
習字と書道と書き初め、
どれも筆を持って半紙に向かっている姿や、
半紙に書かれた力強い文字なんかを連想すると思います。
では、この3つの言葉の違いはどこにあるのでしょうか。
習字ってなんだ?
習字は、「字を習う」と書きます。
字を正しい筆順で、美しく書くのが、習字の目的です。
学校での書写の時間も、
しっかり筆順を確認しながら書きますよね。
書いた字のバランスが良くなかったりすると、
赤い墨で直されたりしたことがあると思います。
お手本があって、その通りに正しく書きましょう、
というのが習字なんですね。
そのため、習字は筆でなくてもいいんです。
使うものが鉛筆だとしても、目的がブレなければ、それは習字です。
書道ってなんだ?
書道は、「書の道」と書きます。
筆を使って紙の上に自分を表現する芸術です。
習字がお手本の通りに書くのに対し、
書道では、個性を大切にします、
書道でも正しい筆順で書くのはもちろんですが、
重視されるのは、芸術性です。
力強さ、繊細さ、大胆な筆運びなど、
書き手によって魅力が様々なのが書道です。
書き初めってなんだ?
書き初めは、年が明けて最初に、
毛筆を使って書く字や絵のことをいいます。
字だけではなく、絵も書き初めにあたるんです。
これを小学生のころに知っていたら、
宿題の書き初めに絵を出していたかもしれません(笑)
あ、皆さんは怒られないように、字を書きましょうね!
書き初めは、もともと宮中行事だったのが、
江戸時代に寺子屋で行われ、庶民に広まっていきました。
宮中行事のころから、現在も、
書き初めは1月2日に行うというのが風習となっています。
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書初めの筆の選び方、その1「毛」を選ぼう!
わかりやすく「毛」と書きましたが、
筆の毛の部分のことを、「穂」といいます。
筆を選ぶときには、
まず「穂」が何で出来ているかを確認しましょう。
穂の種類は、大きく3つに分類されます。
穂の種類①いちばん硬い剛毛筆(ごうもうひつ)
剛毛筆は、3つの分類の中で、穂がいちばん硬い筆です。
穂の色は、茶色や黒のものがほとんどで、
馬やイタチ、タヌキなどの毛で作られている筆です。
一画、一画、力強く書く楷書に向いているので、
初心者や子どもも使いやすいとされています。
穂の種類②柔毛筆(じゅうもうひつ)
柔毛筆は、穂がとてもやわらかい筆です。
穂の色は、白いものがほとんどで、
ヤギやネコなどの毛で作られている筆です。
柔らかいため、一画、一画、しっかり書くというよりも、
草書のようなつづけ字に向いています。
力加減が難しいため、上級者向きといえます。
穂の種類③兼毛筆(けんもうひつ)
兼毛筆は、剛毛筆と柔毛筆がミックスされた筆です。
穂が硬すぎもせず、柔らかすぎもせず、
一画、一画書いたり、続け字に挑戦したりと、
幅広く対応できるのが特徴です。
扱いやすさから、初心者に向いています。
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書初めの筆の選び方、その2「持ち手」のサイズを選ぼう!
筆の「持ち手」の部分は「軸」といいます。
竹が使われる竹軸筆と、木が使われる木軸筆があり、
竹軸筆の筆軸には、普通軸とダルマ軸があります。
普通軸は、穂の太さと握る部分の太さがほぼ同じであり、
ダルマ軸は、穂に比べて握る部分が少し細くなっています。
木軸筆は、軸の穂に近い部分が、ラッキョウのような形をしているので、
穂の太さよりも握る部分が格段に細い形状をしています。
木軸筆は竹軸筆よりも太く、
書き初めや書道の作品制作などに使用されます。
竹軸筆の規格ってどうなってるの?
小、中学生が書写の授業で使用するのは、竹軸筆です。
書写の授業に使う竹軸筆は、
軸の太い方から1号、2号~10号と呼ばれています。
軸の太さを見てみましょう。
1号:15.0mm
2号:14.5mm
3号:13.0mm
4号:11.0mm
5号:10.0mm
6号:8.5mm
7号:7.6mm
8号:6.7mm
9号:6.0mm
10号:5.5mm
竹軸筆の太さは、それぞれこのようになっています。
しかし、気を付けておきたいところとして、
例えば5号は10.0mmとなっていますが、この数字は目安のため、
5号の筆であれば、全部ピッタリ10.0mmというわけではありません。
購入する時には、十分注意してくださいね。
木軸筆の規格ってどうなってるの?
では、続いて、書き初めによく使われる木軸筆です。
竹軸筆では、軸の太さが基準となっていましたが、
木軸筆では、穂の太さで何号かを決めています。
また、木軸筆は、竹軸筆と逆で、細い方から数え始めますが、
一番細いものは、1号ではなく4号となります。
4号が12.0mmで、5号、6号と順々に3mmずつ増えていきます。
ただ、こちらも竹軸筆同様、目安のため、
メーカーにより少々違いますので、注意してくださいね。
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書初めの筆の選び方、その3「小学生」におすすめのサイズは?
さて、筆の規格を見てきましたが、
小学生に適しているのは、どのサイズでしょうか。
筆の規格は、どのような紙を使って、何文字書くのか、
という点から決められています。
竹軸筆であれば、
1~6号までが、半紙や書き初め用の半切に使うもの、
7号以上のものは、名前書きや細字を書くとき使用する、
というのが一般的となります。
小学生が使う竹軸筆のおすすめサイズは?
書写の授業で使う際の筆は、小学校低学年は7号、
高学年は6号を推奨している学校が多いようです。
授業では、机の上に置いた半紙に字を書きますよね。
大きく一文字書くときもあれば、四文字熟語のこともあります。
半紙に四文字書ける太さの筆を使用していますので、
半紙より大きい半切に書き初めをするときには、
普段より一回り大きいサイズの筆がおすすめです。
竹軸筆なら、5号か6号となりますね。
また子どもは、細いより太いもの、
長いより短いものの方が安定して持つことができます。
小さい子どもが絵を書くとき、
色鉛筆ではなくクレヨンをよく使っていますよね。
手の大きさにもよりますが、6号の筆でも、
軸が太めのものを選んでおくといいでしょう。
小学生がダイナミックに書き初めできるおすすめの筆!
小学生が書写の時間に使うなら、
穂は、剛毛筆か兼毛筆、竹軸筆のサイズは6号か7号程度、
というところまでは確認いただけたかと思います。
もちろん普段授業で使っている筆を、
そのまま書き初めに使用することもできます。
ただ、先ほども紹介した通り、
普段は半紙に四文字書ける太さを使っているので、
書き初めはやっぱりダイナミックに書きたいですよね。
堂々と、力強く、大きく書いた願いは、
なんだかそれだけで叶いそうな気になるものです。
そこでおすすめなのが、こちらの書き初め用セットです。
このセットについているのは、
書き初めに適した木軸筆の7号サイズです。
木軸筆の7号というと、だいたい穂が12.9mmです。
同じくらいの穂の太さの竹軸筆は3号になりますが、
子どもには軸が少し太すぎて持ちにくくなってしまいます。
木軸筆なら、穂よりも軸が細身にできているので、
子どもでも安心して使うことができます。
また、穂の太さが十分あるため、
中学生になってからも使い続けられます。
子どもには、バランスよく字を書くのが難しかったり、
字がどんどん左右に寄っていってしまうこともありますが、
このセットには、罫線つきの下敷きが入っているのもうれしいですね。
書初めの筆の選び方、その3「中学生」におすすめするなら?
続いて中学生を考えてみましょう。
小学生から何度も授業で体験しているので、
筆を使うことにも慣れているのが、中学生です。
身体も手も大きく成長しているので、
中学生の授業には、竹軸筆の4号が向いているサイズです。
中学生は用具は一通り揃っているので、
書き初めにも、授業にも使用できるこの4号筆がおすすめです。
竹軸筆ですが、ダルマ軸になっているので、
少し持ち手が細くなっているところもポイントです。
書初めの筆の選び方、その3「大人」におすすめするなら?
ここまでは、小中学生におすすめの筆でしたが、
大人ではどうでしょうか。
大人でも、「習字」として使うのなら、中学生向けのサイズで十分使用できます。
習字でなく「書道」をはじめよう、という時には、
ぜひ柔毛筆に挑戦してみましょう。
穂がやわらかいので、
それまで書いてきた書とまったく違う味わいが生まれます。
こちらの筆は、パッと見た感じだと、
書道というよりも、ハケのように見えますよね。
最初は扱いが難しいかもしれませんが、それもまた味となり魅力となります。
ぜひ試してみてください。
筆を長持ちさせる手入れとは?
手入れを怠ってしまうと、良い筆でもすぐにいたんでしまいます。
長く使えるようにしっかり手入れをしながら使いましょう。
筆は、糊で固められた状態で売られているものが多いため、
使い始める前に、糊を取ってほぐす必要があります。
穂を全部使うのか、穂先だけを使うのかというのは、
筆の用途によって違いがありますので、
確認してからおろすようにしましょう。
たとえば名前書き用の細い筆は、
穂全体をおろさずに、穂先だけをおろすのが一般的です。
買ってきた筆を使う前に手入れする!筆のおろし方
筆をおろすには、ぬるま湯を使用します。
筆先をぬるま湯につけて、
穂先の方から軸の方へ向かって手でほぐしていきます。
穂先だけをおろす場合は、
おろしたい部分までをほぐすようにします。
穂についていた糊がとれたら、
ティッシュや布などを使って水分をふき取りましょう。
穂を下にして吊るし、よく乾かしておしまいです。
使った後の筆を手入れする!太筆の洗い方
使った後の筆の手入れは、
太筆と、名前書きの細筆とで違いがあります。
まずは、太筆の洗い方を確認しましょう。
おろす時と同様洗うときも、ぬるま湯を使用します。
穂の根本のあたりを、もみほぐすようにしながら、
ぬるま湯で墨を落としていきます。
墨は中まで入りこんでいるので、しっかり落とすために、よく洗います。
洗い終わったら、手でやさしく絞ってから穂先を整え、
穂を下にして吊るし、よく乾かしてから片付けましょう。
使った後の筆を手入れする!細筆の洗い方
細筆は、水洗いではない方法で手入れをします。
半紙や、ティッシュなどに水を少しだけ含ませ、
そこに穂を寝かせるようにして、穂先を整えながら、
ゆっくりと墨を落とします。
おろしていない部分までほぐれてしまわないように、
注意しながら拭き取っていきましょう。
きれいに拭き取ったら、
太筆と同じように、吊るして乾かしして完了です。
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関連記事:中学生・高校生の頭皮が臭い!シャンプーでおすすめをご紹介!
最後に
さて、今回は、習字と書道の違いから始まり、
穂や軸の違いで分けられる筆の種類や、
書き初めをするときにおすすめの筆など紹介してきました。
ぜひ、お気に入りの筆を見つけて、
気持ちよく新年の抱負を書き記してくださいね!
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