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私たちの生活に当たり前にある漢字ですが、
パソコンやスマホの普及によって、簡単に漢字の変換ができるようになってきました。
ところが旧字体(旧漢字)など、普通には変換されない、また表示できない漢字もあります。
よくあるのが人の名字などですよね。
多くの漢字は、誰もが読みやすくなるようにと簡略化され、
日本に漢字を伝えた中国でも、より簡略化された漢字が多くあります。
一方で日本で独自にできた和製漢字も多くあります。
そういった日本や中国独自の文化ともいえる漢字ですが、
同じ漢字を2つ、3つ、もしくは4つ組み合わせた漢字があります。
その中の一つ、「七」が3つ並んだ「㐂」について、今回はご紹介します。
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七七七の漢字「㐂」の意味や読み方は?
七が3つある「㐂」の字はどういった読み方、そして意味があるのかを
詳しくご紹介します。
「㐂」の読み方は?
「㐂」のように同じ漢字を組み合わせた漢字のことを、理義字といいます。
簡単なものだと、「双」や「棘」などがそうですし、「林」や「森」もですね。
平安時代には使われていた記録があり、
江戸時代の寺子屋で使われていた書籍にも、理義字集と書かれているのですが
なぜ理義字と呼ぶのかははっきりしていません。
字を重ねることについても、重ねることで強調したり、
より大きく見せるといった理由はありますが、漢字の成り立ちもそれぞれ
違いがあり、はっきりした理由が伝えられていない漢字もあります。
理義字の多くはパソコンやスマホでは変換できません。
一般的に使われないことが多い漢字は、「○○という字を横に並べたもの」
といった表記をされています。
そのため年賀状などで「あれ?変換しても出てこない」といったことが多くあります。
七を3つ並べた「㐂」もその一つです。
読み方は音読で「き」、訓読みはありません。
この字は、「喜ぶ」の「喜」の草書体なのです。
草書体とは、漢字を早く書くために画数を省略したもので、
続けて書くために使われる行書と違い、
元の漢字を知らないと見ただけでは読むことができない書体です。
ただ意味が良く、縁起のいい七を3つ並べていることから、
お店やお酒の名前にも多く使われています。
「㐂」の意味は?
「㐂」は元の漢字である「喜」と同じ意味を持っています。
「喜」には一番下に「口」という漢字が入っていますが、
この口という漢字には、祈りの言葉という意味があります。
さらに口の上の部分は、壁に掛けた打楽器の形を表していて、
神様を祭り、楽しませるために楽器を打ち鳴らすことを意味する漢字となりました。
そのことから、「喜」には喜んだりうれしく思う気持ちと共に、
「めでたい」「祝い」という意味も込められるようになりました。
そのことから、77歳になったことを祝う「喜寿」も、この「㐂」が由来とされています。
左下の七が、「十」を書く時に筆を払う形に似ていることから、七十七を
「㐂」に見たて、「㐂寿」として祝う風習が生まれたのです。
また縁起のいい字であることから、お祝いや神様のお供えにされるお酒の名前に
多く使われています。
新潟県の魚沼で作られている、どぶろくの「㐂八」、
秋田県の地酒「三㐂」、宮崎県の焼酎「㐂六」などが有名です。
ちなみに同じようにおめでたい時に使われる漢字に、「慶」というのがあります。
「慶」を使う場合は、「祝賀の気持ちを強く表す時」で、
年賀状などで「新年のお慶び申し上げます」といった使い方をします。
「喜」は改まった場ではなく、日常のお祝い事やうれしいことがあった時に
使われるので、覚えておくといいでしょう。
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七七七の漢字「㐂」の変換の仕方は?
漢字の「㐂」ですが、漢字変換する時には「き」で変換が可能です。
もしくは手書き入力、外字エディタで字を作成することもできます。
ただし手書き入力や外字エディタを使って作成した場合、
メールなどで相手に送ると、
文字化けをしたり、開くことができないエラーが起きることがあります。
さらにソフトのバージョンやスマホや携帯の機種、
OSの違いによっても変換ができないこともあります。
これは「㐂」が環境依存文字であり、
相手が自分と同じ環境で文書を開かないと、見ることができないためです。
ただしどうしても入力が必要となることもあります。
特に人の名前の時には、失礼とならないよう正しい字を書きたいですよね。
この場合は「㐂」ではなく、「喜」の漢字を入力するしか方法はありません。
変換できない場合は、ネット上で表記されている漢字をコピーする方法もあります。
文書ソフトなどの場合は、旧漢字なども収録されていることが多いので、
年賀状などで「㐂」が使いたい時には、そういったソフトを利用することで可能となります。
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関連記事:コンプライアンスの意味や使い方!簡単にわかりやすく解説!
七七七の漢字「㐂」は名前に使える?
七が3つあること、また「喜」という意味があることから、
お店の名前にも多く使われている「㐂」ですが、
子供の名前などに使うことはできるのでしょうか。
結論からいうと、残念ですが今の時点では名前に漢字を使うことはできません。
「㐂」という字を使った名前の方もいらっしゃいますが、年配の方だけです。
第二次世界大戦後、日本で使われていた旧漢字は、
今使われている漢字に改められました。
また、ワープロの普及により、漢字変換が簡単になりましたが、
旧漢字は変換がほとんどできなかったこともあり、新漢字が主流となっています。
法務省では、戸籍に登録することが可能な名前の漢字を、
常用漢字表と人名用漢字表にあるものとしています。
また漢字の個別に使用できるかを検索することも可能となっています。
人名用漢字表は、改訂が加えられることもあります。
そのため今までは旧漢字などで使えなかった漢字が改訂で加わることもあり、
最近の改訂は2015年ですが、新しく使えるようになった漢字がいくつかあります。
「㐂」については、その意味などから子供の名前につけたいと
考える方も多いようですが、そのまま役所に手続きに行くと受理されません。
将来的には使えるようになるかもしれませんが、現時点では使わないようにしましょう。
もちろんそれ以外に、普通に使う分には問題はありません。
漢字の成り立ちについて、楽しく学べる本となっています。
子供と一緒に漢字を学ぶ時にも、また雑学を学ぶ本としてもおすすめです。
何気なく使っている漢字に、改めて親しみを覚えてしまうようになる一冊です。
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最後に
七の漢字が3つそろった不思議な漢字、「㐂」の
読み方やその漢字の示す意味についてご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
旧漢字であるため、見かけることの少ない漢字ですが、
お店の名前でよく使われているので読み方は分からないけれど知っているという
方も多いのではないでしょうか。
私は祖母の喜寿のお祝いの時に、こういう漢字を書くんだよ、と教えてもらいましたが
意味については知らなかったので、新鮮な気持ちになりました。
その由来についても知ってみると、漢字のすごさがあらためて分かりますね。
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